昨今の企業倒産の原因は何か?本当に人材不足だけなのか?
昨今、中小企業の倒産が叫ばれるが何が原因なのだろうか?
一部のメディアには「人材不足」とざっくりと表現した記事が書かれたものがあるが、この人材不足にもいろいろあるように想像ができる。 「事業承継の人材不足」「新規採用で人が来ない」「社員の高齢化で実働人員の減少」などなど。
当社のように総合経営コンサルをやっていると、色々な中小企業様にお会いする。
その中で、やはり倒産候補の一番多いのが、収支の悪化つまり典型的な「赤字倒産」の状態である。
もちろん、その会社のオーナーとしては、会社を潰したくないという気持ちもわかる。
しかし、ご相談頂き、ヒアリングをしていく中で多いのが、「経営者をはじめ経営幹部には業務テクニックはあるが、経営的視点特に、数字を読み解く力が不足」している事という事例です。
起業されてしばらくの間は、おそらく昔のツテなどで仕事をもらえるので、売上高は発生する が、その段階で「身の丈を図る」ことが重要。つまり、「損益分岐点(額)」を算出し、それを管理しておかなければいけない。特に中小企業では。
「社長が営業に日々走る」これも良いと思いますしよくある話です。しかし、「損益分岐点(額)」を管理していなければ、その会社の商材・サービスの基本的な販売価格が分らないまま活動を続けるということになる。
そして、売れば売るほど損をする状態になってしまい、結果、「なぜか資金も残らず経営が苦しくなっている」となるのである。
大半の方は、「それくらい分かっている!」と思われるかもしれないが、経営悪化に陥っている会社は結構このパターンが多い。
(販売価格を決める為に原価計算も同時に勧めるほうがよいが、これには業界毎の癖があるため、弊社では敢えてそこまでは要求しておらず、次の段階に教育させて頂いています)
特に中小企業では、粗利益で経営を考えるという風習が強い。それも間違いではないが、それだけではいけない。 粗利益を基準にすると会社の組織が小さいが故に、粗利益計算対象の社員のうち1,2名を部署配置換えをするだけで、粗利益と粗利益率は、どれだけでも操作できてしまう。
粗利益で経営を判断してよいのは、(業界による)当社の肌感覚では常勤社員100名以上の会社ではないかと思っている。 従業員がそれ以下の会社は、粗利益は参考値とし、月次決算があれば、そこの「経常利益」「損益分岐点(額)」 を算出されたほうがよいと思います。
もし、ご不明点があればご相談ください。
